2011年2月20日日曜日

おじいちゃんにしかられた話

・私が小学生のころ、我が家には「おやつのカンカン」というのが存在していた。大きめの、筒状の、以前お菓子かなんかが入っていた缶だったと思う。そこにおせんべいとか、おやつが入っていた。
夕方、テレビを見ながら、その缶を裸足で挟んだり転がしたり遊んでいたら、おじいちゃんに「やめなさい」と注意された。それを聞き流していた私を、そのあとおじいちゃんはキツイ口調で叱った。それが悔しくて、「バカ」とつぶやいたら、「誰がだ」と問いただされたので仕方なく「自分が」と言ったのだった。

・おじいちゃんは、杖をもっていた。傘を持っているときは、それを杖のように使っていた。もしかしたら、初めのころは杖の代わりに傘を持っていたのかもしれない。きゅっと細く閉じられた傘の柄が、犬の顔になっているものがあって、ひどくカッコよかった。おじいちゃんの杖(傘)のつき方がとてもスマートで、憧れていた。要するに、まだ本当に杖を必要としていなかったんだと思う。そして本当に杖が必要になった時、以前のようにスマートにつきたいものだから、歩行用具として上手に使えていなかった。
小学生のころ、雨は降っていなかったけれど傘を持っていた学校からの帰り道、目の見えない人の感じが知りたくて、目をつぶって、傘を白い杖代わりに歩いてみた。車の通らない、家の目の前のちょっとした道のほんの数メートルだったと思う。家に帰ったら、「そういうことはしてはいけない」とおじいちゃんに叱られた。

・高校生や大学生になってから、夜遅くまで母とテレビを見ていることが多かった。深夜に放映されるアメリカのドラマが流行りだして、すごく面白かったのだ。そうしてテレビを見ていると、トイレに起きたおじいちゃんに「まだ起きてるのか!早く寝ろ!」と叱られることがしばしばだった。

あとは、叱られた思い出が、あまりない。

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