2010年12月30日木曜日

2010年に観たもの

覚書きを兼ねて、2010年に観に行った舞台のこと。
6月までは忙しいことを理由にほとんど行かなかったのだけれど、それでも何回かは観たはずの舞台のことをまったく覚えていないのは、記憶に残らないくらいのものだったからだと思う。

6月にみたミハイル・バリシニコフとアナ・ラグーナの公演Three solos and a duetは、ありきたりな表現だけど、久しぶりに感動した。という以外になんと言えばよいのかわからない。日本でもこういう大人っぽい舞台をうてばよいのにと思う。還暦を過ぎたこの伝説のダンサーに、ジャーナリストの友達がインタビューをして、自分の履くトゥシューズにサインをもらってきたのを、それはもう羨ましく眺めた。

Theree solos and a duet
Théâtre de la ville

7月の革命記念日にオペラ座の舞台が無料で観られる日に行った、イリ・キリアンのKaguyahimeは、鼓童の太鼓とフランスのパーカッションのやり取りがとても面白くて、総合的にはダンス云々というよりもスペクタクルとしてよくできている作品だなと思ったのだった。

Kaguyahime
Opéra de Paris Bastille

10月だったかに、俳優業の傍ら劇場で働いているという知人が招待券をくれた演劇Grand Ecartは、昔から好きな映画俳優のThierry Lhermitteが主演というだけで、もう行く前から満足だった作品。

Grand Ecart
Théâtre de la Madelaine

10月末に、人から誘われてヒップホップの公演を観に行った。素晴らしかったけれども、この踊りは、道端で踊っているのを眼の端に入れるくらいがちょうどよいと思った。正面から真面目に対峙すると一緒に身体を硬直させてしまって疲れるから。

R.A.F. CREW/Delphine Caron
Théâtre national de Chaillot

そして1年の締めくくりに昨日観たLemoine man showは、フランスでよく言う「ワンマンショー」ってやつで、日本でいうとお笑いというよりも落語に近い気がする。風刺やブラックユーモアをちりばめ、ひとりきりで1時間半も喋りっぱなし。一番前の席で、ちょうど顔と舞台の高さが同じだったから、舞台上の塵が直撃してきて鼻がかゆくて仕方なかったのだけれど、テレビの某トーク番組のメンバーだった時からファンだったLemoineをごく間近で拝めてミーハーな気分。それにしてもこんなに笑ったのは本当に久しぶりで、健康になったきがした。

Lemoine man show
théâtre de la Gaîté Montparnasse

カーナビと(助手席の)女性、どちらが効率的か」というネタがあって、それぞれの良い点悪い点を分析していくのだけれど、こんなかんじ。

カーナビは
  • バカになる(カーナビに従って道がまだないところに突っ込んで事故った人がいるらしい。)
  • 500メートル先のことを言う代わりに「運転上手ね」って誉めてほしい
  • 音量調節可能
  • 車を離れるときに、片付け忘れたら盗まれる(フランスだから)
  • 渋滞を教えてくれる

助手席に乗った女房及び彼女は
  • 駐車場で、空いている場所を通り越してから「あそこ空いてたのに」と教える
  • 音量は、「おおよそ」調節可能
  • パーキングメーター用の小銭を必ず持っている
  • 車に忘れても盗まれない
  • 渋滞に遭遇すると「この道が混んでることわかってたわ」と言う
この舞台を観に行った劇場がまたなんとも趣のあるところで、400席くらいの小さい箱なんだけれども、調べてみたら1867年からある劇場。これに比べて銀座の歌舞伎座を壊してしまった意味がよくわからずに、ため息が出てしまう。
Théâtre de la Gaîté Montparnasse
この劇場があるゲテ通りRue de la Gaîtéには小さい劇場がたくさんボンボンと建っている。劇場と劇場をつなぐように、あやしいピンクのお店(想像にお任せ)と、中国人経営のすし屋が軒を並べているのが特徴。

来年はもうちょっと劇場に行きましょうと思います。

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